【ホンネで裏話】退職代行サービスには気をつけろ

転介
転介

少し前になりますが退職代行に対する簡単な記事を書きました。サービスの利用を検討されるであろう退職希望者の側から見た退職代行サービスについて人事担当者としての意見。そして、今回は人事の立場で遭遇した退職代行サービスとのやり取りを退職代行を使われた側からのノンフィクションで投稿です。

以前の投稿では、一般論としてのメリット・デメリットも踏まえて紹介させて頂きましたが、その後も転介の会社で退職代行を利用して離職する社員はちらほら。

普段は自分が直接対応する事のない転介。『やっぱり世の中変わったんだなぁ』くらいに思っていたのですが、最近対応する機会があり色々と考えさせられもしたので愚痴ってみます。ちなみに、代行サービスの担当と転介のやり取りは、ほぼ脚色ナシの実話。実体験。ガチ。ってやつです。

イライラしすぎて一連のやり取りの後、めっちゃ凹みました(笑)。人事担当としての立場から、退職代行サービスのリアルな対応とその経験談をブログとして掲載したいと思います。

スポンサーリンク

退職代行サービス業者の最低な担当に遭遇

ある日の朝、出社した転介に部下から『〇×支店の砂糖さんの件で転職代行から電話があったのですが、支店長が不在にしているのでどうしましょう?』との相談。

転介:
 まじかー。砂糖くん退職を考えるほど悩んでいたのか。いいよ、私の方で代行さんに電話するから番号教えて?

― 代行サービスさんの番号を控えたメモを貰い別室で電話 ―

代行サービス:
 はい。誰の件で電話ですか?
転介:
 え?(「もしもし」すら無かったけど・・・この人何言ってるんだろ)。えーと△◇株式会社で人事をやってる転介と申しますが。御社から社員の退職の件で電話を頂いたという事で連絡したのですが。
代行サービス:
 あーそうですか。今忙しいので13時にこっちからこの番号に電話します。では。

プッ・・・ツーツーツー

頭の中で状況整理も出来ない猛スピードで一方的に電話を切られる始末。さすがに転介もイライラして、次に電話が掛かってくる前にどんな会社なのか知っておこうと代行サービスのHPを確認する事にしました。

うん。完全終わってます

会社名を入れるだけで検索候補に「違法」「怪しい」等のキーワードが(笑)。代行サービスに対して然程マイナスイメージを持っていない転介。それでも業務上の役割として理解しておく事は必要だろうと調べた事はあります。特に、実際に対応場合には、代行サービスさんのバックグラウンドを知る事は必須だと考えているからです。

そして、今回の会社は他の退職代行よりも評判が悪そうなイメージ。検索ワードの候補にマイナスのキーワードが入るのは、利用者だけでなく企業担当から検索される事も多く、候補に挙がるまでになったのかなと思いました。

なぜかって?
あまりにも電話口での態度が悪かったので、転介も「嫌味の一つも言ってやりたい」と思ってしまうほどだったから(笑)

その為には相手の強み、弱みを知らなければいけない。
実際の事例でも載っていれば、この業者さんの傾向も解りますし、ネットで悪い評判があるならその理由を把握しておく事で対応を検討する際の材料にもなります。

自分の気持ちの中で砂糖君の退職は既に受け入れています。その上で、粛々と手続きを漏れなく進めるしかないなと。そんな心境で電話をしている人事担当に対して、必要以上に失礼な態度を示す理由がどこにあるのだろうと思う訳です。利用者(退職希望者)の事を考えれば、対応にあたる代行サービスの担当さんが印象を悪くするなんてもっての他だと思うのです。

それなのに今回電話に出た代行サービスの担当さんは、社会人としてあり得ない言動。
完全に輩(やから)です。

仕事の依頼主がどう思われようが気にしないのでしょう。そして、代行サービスを使ってまで退職を申し入れられる会社なんて、本来なら話す価値もない存在。そんな風に思ってるのではないかと疑いたくなるレベルです。

だから、普段は非常に温厚な転介も今回の退職代行サービス業者が少しでも違法な発言や雰囲気を出して来たら意地悪でも言ってやりたい。そんな事も頭に浮かぶ訳です。

砂糖君の退職を引き留めるつもりも無ければ、彼を責めるつもりもない。当人の話は聞く事は出来ていないものの、知る限りでは職場での人間関係に問題があった様子もないんです。だから、普通に退職の申し入れをしてくれても、現在の業務状況を確認する程度で無理な引き留めや揉め事にする事なんてあり得ません。

しかし、社員の退職は大小あれどほとんどの場合で会社にとっては損失です。特に、重要なポジションや機密を扱うような役割であった社員の退職は、会社としてもダメージが大きいですからそんな場面に備えて代行サービスさんの素性は知っておきたい。

幸いな事にそういった社員が退職代行サービスを利用して離職したことはありませんが、仮にそういった社員が代行さん経由で退職を申し入れてきた場合にはやはり会社としても対応は考える事になります。

退職代行を経由の場合ほとんどは即日退社。要は、その電話以降、二度と会社と連絡を取らない覚悟で利用する訳です。しかし、会社としても退職は受け入れるにしても、少しでも引継ぎ期間が取れなければ、会社存続に関わる危機に陥る可能性すらあるので当然です。

スポンサーリンク

退職代行サービスに意地悪言ってみた

輩(やから)な退職代行サービスの窓口とのファーストコンタクトに惜敗の転介。

この時点で砂糖君対しては何の悪意もありません(今もですが)。とにかく、社会人として当たり前と思ってきた概念を覆すほどの出来事に動揺を隠せない・・・そんな感じでした(笑)。

デスクに戻って今回の業者さんを検索。良い印象を持たなかった転介ですが、揉めるつもりもないので気を取り直して自分の仕事をしていると時間なっても電話が鳴ることなくそのまま。予定時間を一時間程過ぎた14時にお待ちかねの連絡です。

転介:
 △◇株式会社の転介です。
代行サービス:
 誰の退職の件ですかね?(転介:え?)だから、退職希望者の名前を教えてください。
転介:
 社員の砂糖から御社を通じて意思表示があったと聞いて折り返ししたんですけど。
代行サービス:
 はい?どこの砂糖さんですか?フルネームは?検索できないのでフルネームを言ってください。
転介:
 は?ちょっと覚えてないのでお待ちくださいね・・・えーと・・
代行サービス:
 それ時間かかります?(転介:いえ直ぐです)まだですか?(もうちょい)忙しいので直ぐ折り返すので調べておいてください。
転介:
 あ、ダメ。ちょっと・・

プッ・・・ツーツーツー(2度目)

これ、リアルのやり取りですが・・・信じられます?
もうですね、呆気に取られて笑っちゃうレベルです。時間にして1分弱。砂糖君の退職に対して異を唱えるつもりはまーったくないのですが、この時、次の電話でチクリと言ってやろうという意思が固まりました。

そして待つこと約3分

代行サービス:
 〇〇です。名前分かりましたか?
転介:
 〇×支店の砂糖雄太ですね。
代行サービス:
 はい。砂糖雄太さんね。あ、ありますね。11月6日付けで御社を退職するので連絡を入れてくださいと当社に依頼があったので以降は砂糖さんに連絡しないでください。(転介:えーと・・)必要な書類や返却物があれば、これからメールを送るのでそこに通知下さい。(転介:ちょっといいですか・・)。以降のやり取りはメールでお願いします。転介さんが窓口担当でしたらメールアドレスを教えてください。
転介:
 まず、砂糖君に連絡するなと言われても重要な確認事項があった場合には連絡を入れさてもらう事になると思います。(代行:入れないでください)それと、電話で一方的に言われても無理なので代理で電話してるなら文書で出してもらえませんか?
代行サービス:
 本人が電話は入れないでくれと言っているので入れないでください。

やっぱり、この担当さんは相手の話を聞く気も無ければ、丁寧な仕事をしようとする気持ちは一切ないのがはっきり伝わってくる。公私ともに絶対に好きになれないタイプ。

ぶっちゃけ、この業者さんを含む多くの退職代行業者メッセンジャーサービスさん。「〇〇さんが××言ってました」と伝える事は出来ても、それ以上の事を言う権利も資格もないんです。転介も退職の手続きがスムーズに進むなら砂糖君に電話を入れるつもりなんて初めから無いのですが、言わずにいられません・・て感じでした(笑)

転介:
 「電話しないでください」っていう言伝は聞きました。でも、必要なら電話を入れさせてもらう事があるかと思います。(やめてください)申し訳ないけれども、御社からの言伝に従わなければならないって理由がありません。強制することも出来ないと思いますが、それ交渉ですか?
代行サービス:
 本人の申し出を伝えているだけですので文書もだしません。間違わないようにメール送るって言っているんですけど、それが気に入らないならもういいです。〇×支店の上司さんのアドレスを聞いているのでメールしてそちらで対応してもらいます。(カチャカチャ)はい、もう送りました。
転介:
 (あら、切り替えが早い・・) だから、言伝は聞きましたよ。ただ、電話するなとか言われても強制力はないですよねって言ってるだけです。
代行サービス:
 そうですね。こちらは伝えて下さいって依頼を受けてるだけなので。それと確認のためにメールで送るっていっているんでけどそれが不満だって事ですよね。なので支店の上司さんにメールしたのでもういいです。
転介:
 こちらで対応しますので、私宛にこちらに送ってください。
代行サービス:
 先ほど言ったように支店長さんにメールを送ったのでそこに記載のあるアドレスにメールをしてください。それと以降は連絡もメールでお願いします。電話は掛けてこないでください。
 当社は言伝で砂糖さんと御社の連絡の間に入るだけですから。メールを頂いたらその内容を砂糖さんに転送します。それに対して砂糖さんから返信が来たら、それを転介さんの方に転送します。はい、もういいですね。

プッ・・・ツーツーツー(3度目)

正直、退職代行サービスにこれほど腹を立てる日が来るとは思いもしませんでした。

そうです。退職代行サービスの殆どはメッセージを伝える事以外はしてくれません。資格がないので当然です。弁護士さんや組合であれば交渉の依頼を受ける事も可能ですが、そうで無ければただ連絡する以上の事は出来ない。それを知っているから、一方的に通知してさっさと電話を終わらせようとするし、こちらに話をさせるつもりがないんです。

勝手に「良い・悪い」や「意見」を言ってしまい揉めても責任は取れない。転介がそれを匂わせたので一瞬で通知先を職場の上司に切り替えるなんて、ある意味ほんとにベテランなんだなぁと関心もしてしまいます。もしくは、マニュアルが徹底されていて揚げ足を取られるような事は絶対に無いような教育がされているのでしょう。いえ、その両方というのが正しいのかも知れません。

ですが・・・電話を終えて、転介の心に残ったものは何もありません。終始相手のペースで話が進んだ上に砂糖君の退職手続きをスムースに処理する事を優先すれば、必要以上に退職代行サービスの担当を追い込むことも出来ない。

結果、退職代行サービスの輩担当 VS 転介は 、虚無感だけが残り相手の圧勝と言わざるを得ない結果で終了です(笑)

すげーな退職代行!

極端な退職代行サービスの担当に当たったのかも知れません。普通に考えれば、自分の会社に対するイメージや依頼者の立場が悪くなる可能性がある発言なんてするはずがないのです。以前に転介が退職代行サービスからの電話を受けた時には、好意的とは言いませんが粛々と事務連絡をされた覚えがあります。そして、その会社に対してマイナスなイメージも持ちませんでした。

今回、自分が体験した対象代行事業者の担当との遭遇は、人事担当者として貴重な体験だったかもしれません。ですがなんとも複雑な心境です。


スポンサーリンク

退職代行についてもう少し

 自己弁護する訳ではないですが、メッセンジャーサービスでない退職代行さんであれば、こんな気持ちにはならなかった事でしょう。お互いに言い分があって、交渉と妥結。もしくは、法的手続きって流れになるはずだからです。

 今回も、そして以前も書きましたが転介の会社では、代行業者を通じて連絡であっても基本的には当人の希望に沿った処理をした以外の事例はありません。なぜなら、本当にただ退職をしたいという理由で代行サービスを申し込んのであれば、引き留める理由なんてないからです。

 トラブルを起こしている社員、要職に就き重要な役割を負って処遇も得ていた社員が自分勝手に途中放棄しようとしている等の退職であれば、きちんと問題を解決してからの退職をお願いします。ですが、そうでない社員を会社の都合で縛り付ける理由は事はないと考えてもいます。

転介
転介

退職代行の利用を考える方へ

今現在の職場が自分にとって負担・ストレスでしかなく、更には退職の意思表示を自分で行うのは困難と考える場合。退職代行サービスを利用されるという選択肢は非難されるような物ではありません。ただし、安易な考えで業者選びをすると後悔するような事になりかねません。退職代行を使われた側は、退職者本人の本心は知らないままで終わる事になります。その為に誤解や悪い印象を残してしまう事もあるので事前の下調べは正しく行うことをお勧めします。

 

how to退職代行/考えるべき事と問題点

おまけ、且つ転介の持論&偏見で退職代行サービスの利用を考える方に気にして欲しいポイントを書き連ねます。現役の人事担当者からのアドバイスとして捉えて貰えると幸いです。

もしも!業者の方がご覧になりイラっとした場合は、優しく見逃してあげてください(笑)

退職率100%の謎

 完全に自称です。利用者さんが「お宅に頼んだのに退職できなかった!どう責任取ってくれるんだ!」とトラブルになって公にでもならない限りこの事象は続くでしょう。だって、法的な手続きを行う訳じゃないので、失敗事例があっても業者さんもその他の人も確認する方法が無いですから。

 そして、退職代行さんに対して、企業側が「当社は納得できません。本人との話し合いをもって手続きします」と押し切った所で、当の社員がそのまま出社を拒否して会社を退職することになっても退職は退職です。

 必ず円満退職となり一切ストレスが掛からないと考えるのはムリがあるかも知れません。とはいえ、当然、ご自身に非が無く、丁寧な仕事をしてくれる退職代行サービスに申し込んだのであれば期待する結果になる事の方が多いとは思います。

退職代行を利用する場合の最大のリスク

 本人にとって一番残念な結果は、退職代行サービスという名のメッセンジャーさんに数万円を払って依頼したのに、結果的に会社とトラブルになって嫌な形で辞めていく。そんな結末ではないでしょうか。

 実際、血気盛んなイケイケの人事担当さんが失礼な退職代行に対し逆上し、退職希望者さんの立場が悪くなったなんて話はいくらでもあります。例えば、退職を申し伝えられた人事担当者が、退職希望者に確認して欲しいと代行サービスに依頼した内容が言伝られるような物でない場合。また、『本人もしくは正式な委任を受けた者で無ければ受け入れられません』と会社に取り合ってもらえない可能性すらあります。

利用を考える人の中には、職場がブラックで、退職を申し出ても受け入れて貰えないような場合もあるかも知れません。ですが、本人にとってはやむを得ない事情があって、退職する事を選択したが会社に申し入れ難いという場合もあるはずです。

例えば、体調不良を繰り返して出社しづらくなったが、退職の意思表示だけはきちんとしておきたい。 又は、職場の人に色々お世話になりながら家庭の都合で退職するなんて言い出し難い等々・・・そんな理由から退職代行に依頼する人もいると思います。

今回、転介が遭遇した退職代行さんは、とてもではありませんがそんな事に配慮しながら対応を使い分けているなんて思えないのです。会社に迷惑をかける事を心苦しく思いながら、それでも退職代行サービスを利用する事を選んだ人にとっては最悪の結果とも言えるのではないでしょうか。

尚、 代理行為については民法の99~118条、そして委任については643~656条に定められています。稀な事例かも知れませんが現実に起こる可能性はゼロではないという事は覚えておきましょう。

会社に対して交渉したい事がある場合

 交渉事がある場合には、特に退職代行サービス業者の選定に注意しなければなりません。残業代や有休消化等において、会社に対して直接申し入れをするのはストレスだ。納得してもらえるかわからない。そんな風に考えてもメッセンジャー的なサービスに限定される退職代行さんでは、期待に応えられない場合もあります。

 業者さんは「当社で企業に対して伝えるので対応可能です」と言うかもしれません。ですが、ただ伝えるだけであるため、そこに結果の約束はないのです。約束をしてしまえば違法行為にもなりかねません。実際、未払い残業や保証を求めるような行為の代行は、メッセンジャーサービスとしての退職代行には認められるはずもない物です。

仮にそういった問題に責任を持って対応頂く事までを考える場合は、組合や弁護士さんが行ってる退職代行サービスを利用すべきです。

申し入れる内容、そしてその対応までを含んで相談に乗って貰えるはずです。扱いについてはオプションとして基本料金とは別に費用が掛かる場合、成功報酬で何%とかの費用となる場合など業者ごとに異なるので事前に良く確認はすべきです。労働組合や弁護士さんの行う退職代行サービスをお勧めしている訳でもありません。

本当であれば、退職を選択する社員が企業に自分で申し入れる事が出来て、お互いに次につなげる事の出来る退職の形が望ましいですよね。転介も人事担当として自身の職場・会社を離れる社員に対して、そんな後悔のない形で次につなげられる形を作っていきたいと思います。

転介
転介

退職代行サービス自体、実はグレーゾーンと言われる事も多い行為です。今回は退職代行を使われた側からのリアルを本音で掲載してみました。

転介は人事担当として退職代行を利用されることに対して大きな抵抗はありません。退職希望者も安くない料金を払い、意を決して依頼するのだと思います。だからこそ、個人的な見解ではありますが、利用者や相手の企業に対して常識を疑われるような行為を平気で行ってくる業者さんに対しては、一切の共感もリスペクトも持てないのです。いつか、企業・労働者どちらの側からも必要とされるような業界に成長して頂けたら良いですね。


 

タイトルとURLをコピーしました