非正規雇用に応募する際のポイント

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非正規雇用とは?

 文字通り『正社員じゃない人』全体を表す言葉です。1980年代半ばまでは、労働者人口に占める非正規雇用者の割合は15%程度でしたが、2020年には倍以上の37%を超えています。

 企業が直接自社の従業員として雇用する労働者の雇用に「契約社員」と呼ばれる形態があります。非正規社員における一般的な表現で、特に珍しい訳ではありませんが、アルバイトさんと何が違うの?準社員さんとの違いは?と聞かれたら多くの人は答えに困るでしょう。

 政府の資料においても、正規雇用労働者について『勤め先での呼称が「正規の職員・従業員」である者』としているのに対して、非正雇用労働者は『勤め先での呼称が「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員」「嘱託」「その他」である者』として作成された物があります。

 一般的な認識として、正規雇用の従業員に次いで安定しているイメージの「契約社員」であっても、有期雇用である事が多く、その他の雇用者とは細部の雇用条件が異なる場合がありますが、法令上はその他の非正規雇用の労働者と同じ捉え方となる訳です。

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実際の就業における非正規雇用の実態

 更に『勤め先での呼称』は、多くの企業が採用する「契約社員」と同義の物だけでも数多くあります。例えば、期間社員、有期従業員、臨時社員、準社員、期間工(特に製造工程での作業に従事する契約社員を期間工と表現する場合が多い)などです。

 大手の自動車メーカーなどでは、契約社員と期間工(期間従業員)をその従事する業務等によって更に分類し、雇用契約上の条件に違いを設けるなどしています。業務や責任の範囲によって細分化する事で処遇差に理由を作っている訳です。

 そして、その雇用条件の違いは、法令に違反しない限り企業が独自で定める事が出来る為、外部から一概に比較する事も困難です。更に、従来の非正規雇用社員は殆どの場合で、雇用期間の定めがある有期契約で採用されてきました。しかし、平成30年4月以降以降は、契約期間の定めのない無期契約社員(無期転換)と呼ばれる雇用形態で勤務する形もみられるようになった事で、より難解になったのも事実です。

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製造業における派遣と期間工

 非正規雇用の労働者が多いのは、サービス業・飲食・製造業などですが、その中でも特に製造業においては、期間従業員(期間工)をはじめとして多くの方が就労されています。

 尚且つ、製造業では企業の直接雇用である期間従業員以外にも派遣・請負等の社外の労働者が勤務する事が多く、時には同じ事業所(工場)で1,000名を超える非正規雇用の労働者が就労していたりします。

製造業:派遣と期間工の特色と採用について

 「派遣」と「期間工」として応募する前に簡単に違いとポイントを考えてみます。雇用関係や応募時の注意点、特徴など、知っているようで知らないその内容を簡単に解説してみます。

期間工採用のポイント

 メーカーの期間工は、与えられた作業を期待される品質とスピードで実行できるかどうかが最大のポイントではないでしょうか。

 それには、過去に他企業も含めた同種の業務経験があるというのは、大きなポイントとなります。また、第一印象は「素直」であるに越したことはありません。何故なら、派遣社員さんの場合には「派遣元」に責任を求める事も可能ですが、メーカーの直接雇用である期間工は、採用した人事担当が責任を問われる事になるので人間関係のトラブルは最も避けたい問題の一つと言えるのです。

派遣社員採用のポイント

 人材派遣(労働者派遣事業)は、雇用契約を結ぶ自社(派遣元)の従業者(派遣社員)を自社以外の企業(派遣先)に派遣し、派遣先の指揮命令のもとで労働を提供する雇用形態になります。

 従来、派遣社員としての就業の形は、多くの場合で有期雇用の臨時スタッフとするイメージがありました。そして、3~6ヶ月単位での更新を前提とする派遣の割合は、現在でもまだ多いのが実勢となります。

 派遣会社は、自社の登録者を企業に紹介するにあたり派遣後のトラブルに最も神経を使います。登録時の面接では、派遣社員の受け入れを望む企業(派遣先)が希望する業務経験等に多少不安があっても「空気を読むのが上手い」と思われると派遣会社のプッシュで優位に進む場合が多くあります。

転介の独り言:非正規雇用について思う事

人事の立場で考えると全てが国や企業の責任とは思っていません。当然、労働者となる人達の責任でもないのですが、例えば労働者人口そのものも変化しているため、60歳を超えて就業している人の比率は非常に高い訳です。そして、その方達の多くは「非正規雇用」となっているのですから、非正規比率自体が高まるのは、ある意味自然の流れでもあります。

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